管楽部門講評

この度はWEB予選にご参加頂きありがとうございました。

動画審査ということで、自分の演奏を初めて動画に撮ってみたという方もいらっしゃったのではないかと思います。

動画の利点としては客観的に自分の演奏と向き合うことができるということです。演奏しているときには気づかなかった自分の癖や、「やってるつもり」でも十分表現できていないことに気づくことも多いと思います。自分の演奏をシビアに聞ける人は、何度も撮り直したことと思いますし、その度に自分の演奏をブラッシュアップさせていけたのではないでしょうか。

 

さて、演奏についてですが、皆さんとても一生懸命練習されたことが伝わってきてとても嬉しく、充実した気持ちで審査することができました。

その上で気づいた点をいくつか。まず、基本的なことができているかそうでないかが顕著に見えました。音色、音程のコントロールが上手くいってないと音楽に説得力がなくなってしまいます。基本的な安定感あるソノリテ、音色、ヴィヴラートのコントロール等十分に基礎練習時間を取って下さい。また、正確で無駄の無い運指、ブレスコントロール、タンギングなどのテクニックもしっかり身に付けて下さい。

次に表現のことですが、フレーズのことを理解して演奏できているかそうでないか。例えばブレスの場所ひとつにしても、フレーズの途中の不自然なところでとったり、かと思えばフレーズの切れ目を無視してつなげてしまったり…いくらいい音で吹いていてもヘンテコな節となって聴こえてきてしまっては台無しです。自然な表現のために音楽がどこから始まりどこで閉じるのかを理解してフレーズ作りをして下さい。

 

 

ひとつ、とても残念ながら要項にも明記してあります「暗譜で演奏」ということを見落としていた方が何人かいらっしゃいました。心苦しいところではありますが、規定により失格という結果になりました。